コラム② 展示会 歩留まり向上テクニック【第1回】

――成果の8割は「準備段階」で決まる
展示会に初めて担当者として参加することになり、
「とりあえず当日がんばれば何とかなるだろう」
と思ってしまう方は少なくありません。
しかし、展示会の成果指標のひとつである歩留まりは、
会期中の頑張り以上に、事前準備の質によって大きく左右されます。
経験則では、展示会の歩留まりは
準備段階で7~8割が決まっているとも言われています。
本コラムでは、展示会初心者の担当者でも理解できるよう、
まず「準備段階」で押さえるべき基本的な考え方と具体的なテクニックを解説します。
そもそも「展示会の歩留まり」とは何か
展示会における歩留まりとは、
ブース前を通過した人のうち、どれだけが立ち止まり、接点を持ってくれたか
を示す指標です。
一般的には、以下のように考えます。
通行者数:ブース前を通った人数
立ち寄り数:足を止めて話を聞いた、配布物を受け取った人数
歩留まり率:
立ち寄り数 ÷ 通行者数 × 100(%)
何の工夫もしていないブースの場合、
歩留まりは 1~3%程度 にとどまることも珍しくありません。
一方、準備をしっかり行ったブースでは、
5~10%、場合によっては 15%以上 を記録することもあります。
この差を生むのが、会期前の準備です。
「誰に来てほしいか」を具体的に決める
準備段階で最初にやるべきことは、
ターゲットを明確にすることです。
「多くの人に来てほしい」という考えは一見正しく見えますが、
実際の展示会では逆効果になることが少なくありません。
✔ ターゲット設定の例
業種:製造業/IT企業/サービス業
役職:営業責任者/広報担当者/経営者
課題:集客に悩んでいる/新規顧客を増やしたい
たとえば、
「展示会での集客に課題を感じている中小企業の広報担当者」
というように、一文で言えるレベルまで絞ることが重要です。
ターゲットが明確になると、
看板の言葉、声かけの内容、配布物の選び方まで一貫性が生まれます。
ブース前3秒で伝わるメッセージを用意する
展示会では、来場者は足早に通路を歩いています。
ブース前で立ち止まるかどうかの判断時間は、
わずか2~3秒と言われています。
この短い時間で伝えるべきことは、たった一つです。
✔ 準備段階で整理すべきポイント
何の会社なのか
ここで何が得られるのか
情報を詰め込みすぎると、かえって何も伝わりません。
看板やPOPは「読ませるもの」ではなく、
一瞬で理解させるものと割り切ることが大切です。
配布物・ノベルティは「歩留まり装置」として考える
準備段階で見落とされがちなのが、
配布物やノベルティの位置づけです。
ノベルティは単なるサービス品ではなく、
来場者が立ち止まる理由を作るための装置と考える必要があります。
✔ 準備時に確認すべき観点
なぜ受け取る必要があるのか
今この場で欲しい理由があるか
持ち帰るイメージがしやすいか
実用性があり、軽く、
「とりあえずもらっておこう」と思われるものは、
新人担当者でも歩留まりを安定して高めやすい傾向があります。
数値目標を事前に決めておく
準備段階では、
「今回は何となくやってみる」ではなく、
最低限の数値目標を設定しておくことも重要です。
✔ 目安となる目標設定例
通行者数:1日500人
立ち寄り数:25~50人
目標歩留まり:5~10%
数値を決めておくことで、
当日の改善点や振り返りがしやすくなり、
次回の展示会につながる“経験値”が蓄積されます。
準備段階は「仕込み」の時間
展示会の歩留まりは、
当日のトーク力や気合だけで決まるものではありません。
ターゲットを明確にする
3秒で伝わるメッセージを用意する
配布物を戦略的に選ぶ
数値目標を設定する
これらを事前に整えるだけで、
展示会の結果は大きく変わります。
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次回【第2回】では、
会期中にその場でできる歩留まり改善テクニックを、
声かけ・立ち位置・配布の工夫という観点から解説します。